「あなたがここに転生した理由」 人は死んで蝶になる、という死生観を提示された

上手な生き方

死は肉体という「借り物」から魂が自由になること

文化放送のおはよう寺ちゃんに出演されていた坂東忠信さんの著書「あなたがここに転生した理由」(青林堂 刊)を読んで、目からウロコの大納得の死生観をいただいた。

18年間警察庁で北京語通訳警察官だった著者が、職業柄接した多くの人の死の現場の立ち合いを通して、死後の世界に興味を持ち、一度心臓が止まってから蘇生した人などに取材。

「人の魂は不変で、肉体は借り物」「死後は極楽で自分が蝶になったようなもの。それに比べれば、人間時代は空も飛べずに毎日食事の心配をしながら地面や植物の上を這いずり回っている芋虫みたいなものだった」 というのだ。

何とも、聞いたことのない興味深い比喩。「では、楽しい蝶になるために芋虫はどうすればいいのか」と答え探すように、200ページぐらいの本ですが、一気に読んでしまった。

再び「芋虫」状態の人間に、あえて転生するには、理由がある。

人間界を拝命したのには、それぞれクリアーしなければならない課題があるという。これを落第したまま肉体死を迎えると、前にいた場所よりもっと悪い魂ばかりのところに戻ることになるという。

このメッセージも恐ろしかったが、もっと怖いのがあった。

死んで肉体からぬけると、魂だけになり一切の本音が常にさらけ出されれてしまう、ということだ。

本心から仏の人は周りも仏ばかり。常に不満を持つ人はまわりもそういう人ばかり。だから、悪い人は地獄に落ちるというのは、地獄という場所にいくわけではなくて、まわりが悪い人しかいないところに行く、というだけだというのです。

生まれてきたものはみな課題があって、その人なりに、それぞれのキャパの中で、大変なのは同じ。生まれてきた以上、ずっとラクしてさぼっている人なんて一人もいないんだ、と腹に落ちた。

魂の本質は死んでも変わらない。ならば、魂が一番喜ぶことをすべきと思った。

現世で見たもの、感じたもので魂から最高と思った瞬間は魂にも刻まれていて、それはずっと劣化することなく、楽しめるものらしい。

これが十分と感じられないと、まわりの楽しそうにしている魂がうらやましくなって、厳しい「芋虫」生活に何度もトライすることなるのだそうだ。

3年前78才だった父の延命措置について医者に確認された

その時、食べ物が咀嚼できなくなってまで、延命措置は必要ないと元気な時から本人と確認しあっていたので、医師の確認にその時はそれほどのプレッシャーは感じなかった、と思っていた。

しかし、その後、時々思い出していた。自分の親の死を最終承認してください、と迫られたのは、無意識のうちにもトラウマになったのかもしれない。

今回の坂東さんの死生観に触れることができて、それもきれいに整理された。意識もなくって管につながれて延命することなどだれの利益にもならない、と。

難病で生きること自体が大変な苦痛を本人や家族が安楽死を選ぶ、

今を時めく俳優が人知れず生き続けることにやめて、死を選ぶ。

本人の生まれてきた課題さえクリアされているか、生き切ったのかの問題であって、時間が長ければよいという問題ではない、とこの本の死生観は教えてくれた。

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